中日松坂大輔投手(37)が日本での復活勝利に向け順調に調整を続けている。オープン戦初登板となった4日の楽天戦では2回2失点ながら最速は144キロをマーク。野球評論家の西本聖氏に今後の課題などを聞いた。

 -松坂が復活へ向け順調にステップアップしている

 西本氏 樂天戦をテレビで見たがフォームが安定しているし、しっかりコントロールされていた。144キロ出ていたし最後の山下を空振り三振に仕留めたチェンジアップも素晴らしかった。個人的にはホッとしたし、良かったなと感じた。

 -沖縄で2月26日の韓国ハンファ戦(1回無失点)を取材した

 西本氏 本人とも会って話をした。「良い顔しているな」というのが第一印象。肩の不安がなく本人も手応えを感じているのでは、というのを強く感じた。韓国ハンファ戦ではスライダーのキレが素晴らしかった。4日の楽天戦はそこまでのキレはなかったが、あのスライダーが投げられるということはすごく楽しみ。(臨時コーチを務めていた)杉下茂さんも「あのスライダーはすごい」と驚いていた。左肩が開かなくなってフォームが良くなった。これまでは右肩をかばうあまり、どうしても開いて投げていたが、それがなくなった。ボールが暴れなくなった。打者との駆け引きはこれまでの十分な経験があるし心配ない。

 -先発投手として復活できそうか

 西本氏 一番の課題は投げるスタミナ。先発ローテーションに入るのならば最低でも5イニング、球数も100球以上は投げないといけない。このスタミナは試合で投げることで付けていくしかない。そして、これからの登板でイニングや球数が増えていくと思うが、投げた後に体がどういう状況になるか。肩の回復具合はどうなのか。体の変化をチェックする必要がある。もちろん無理は禁物で、そのバランスが難しい。

 -西本さんも現役時代に腰の手術から復帰した経験がある。中日時代の91年に手術して翌92年は1勝もオリックスに移籍した93年は5勝を挙げた

 西本氏 真っすぐが130キロ出なかった。127~8キロ。それでもシュートもあったし勝つことができた。松坂は144キロが出るしスライダーとチェンジアップがある。状態が上がれば145キロ以上出ると思う。明るい光は見えてきている。プロ野球ファンも松坂の復活を期待しているだろうし、私も楽しみにしている。