巨人が2連勝でファイナルステージ進出を決めた。野球評論家の西本聖氏に巨人の勝因などを聞いた。

-巨人が連勝でファーストステージを突破。ノーヒットノーランの菅野も見事だった

西本氏 菅野は素晴らしかった。途中から完全試合をやるんじゃないかという雰囲気があった。菅野もインタビューで話していたように「高橋監督と1試合でも多くやりたい」という気持ちというのか、良い意味で選手が一つになっているのを感じた。

-確かに選手の「監督のために」という思いが伝わってきた

西本氏 一緒にプレーした選手も多い。今回は高橋監督が責任を取る形になったが、選手は自分たちにも責任があると思うもの。人間は感情の動物だから。

-高橋監督の思いきりの良い采配が決まった

西本氏 短期決戦ということで思い切った采配をしている。前日の第1戦がそうだった。1回に田中俊を走らせた。シーズン中にはほとんどないことだし、5回の上原投入も思い切った采配だった。来年はもう監督をやらないということで、悔いを残したくないという思いも強かったのかもしれない。

-他にこの2連戦で感じたことは?

西本氏 小林のリード。初戦の今村に緩いカーブを多投させてうまくタイミングを外した。3回に山田哲を二ゴロ併殺打に仕留めたが全然カーブにタイミングが合っていなかった。あのダブルプレーが大きなポイントになったと思う。対照的にヤクルトは中村のリードがいまひとつだったように思う。今回は捕手のリードの差が出たのではないか。

-ファイナルステージはレギュラーシーズンで7勝17敗1分けと大きく負け越した広島と対戦

西本氏 確かに苦手にしているが最高のムードで広島に乗り込める。さらに今回2試合で終わったことが大きいと思う。もし1勝1敗だったら第3戦はメルセデスだったと思うが、彼を広島との第1戦に持っていける。そして広島は最後の試合(7日)から初戦(17日)まで10日間空いている。どうしても実戦の勘が鈍るはず。もちろん広島には1勝のアドバンテージがあるが、今回の巨人の勝ち方は良い流れというか、1勝のアドバンテージを上回るくらいの価値があったと思う。短期決戦だけに初戦を取れば面白い。