新年度が始まりました。新入社員諸君、のびのび、そしてシャキシャキやりましょう。何事もメリハリが大事です。うるさく言う上司も昔は同じことを言われていました。最近はうるさく言わないのが流行りのようですが。とにかく明るく、いこう。

 私が入社したのは88年(昭63)です。翌89年1月に元号が代わったので、いわゆる昭和最後の入社組になります。すでに日刊スポーツ生活31年目に入っているとは思えないほど会社のことで知らないことが多いのですが。

 いよいよプロ野球が開幕しました。五輪もW杯も、もちろん、いいですが、なんといっても半年間、ずっと試合をして、老若男女で楽しめるプロ野球は、ベタですけど、やっぱり楽しい。

 大阪版で密着コラムを書いているので、やはり、注目しているのは阪神です。次はかつて担当していた広島になってしまいます。ここは独断と偏見でよろしくお願いします。

 阪神は特に今年は違うはず。かつて指揮を執った闘将・星野仙一さんが正月明けに亡くなるという衝撃があったため、個人的には金本監督率いる戦いを「弔い合戦」ととらえています。

 もちろん梨田監督率いる楽天もそうですが、これまでとは違うシーズンと見ています。そこのところ、よろしくという感じです。

 広島もセ・リーグでは巨人以外は達成していない3連覇がかかる重要なシーズンです。緒方孝市監督の手腕が期待されます。

 その阪神と広島、開幕3連戦は対照的でした。阪神は東京ドームで巨人3連戦。既に結果はご存じのように開幕戦を「菅野撃ち」で華々しく勝ったのですが、あとの2試合で逆転負け。まずは負け越しスタートとなりました。

 一方、広島は強い。申し訳ないけれど下馬評の低い中日を相手に軽々? と3連勝。いきなりの好スタートでした。

 ここで、思い出してもらいたいのがオープン戦の成績です。広島は11位、阪神が最下位12位でした。ちなみに首位は巨人。オープン戦と公式戦は違うのは言うまでもありませんが、それにしても、です。

 先日、大阪版のコラムで書いたことが、妙に周辺から反応があったので、調子に乗って、ここでもちらりと触れておきます。

 先日、若い女性に「平成JUMP」という言葉を教えてもらいました。ジャニーズ事務所のアイドルグループぐらい、名前は知ってるで、と思いましたが違いました。

 「昭和の時代に生まれた人が結婚せずに平成を飛び越えて次の時代に入ること」

 そういう意味だそう。来年4月末で「平成」の元号が終わると決まった頃からネットの世界で知られるようになったそうです。

 私が入社した88年(昭63)生まれ、野球の世界で言えばハンカチ世代ですね、つまり今年30歳を迎える人で来年4月までに結婚する予定のない方々は「平成JUMP」だそう。

 晩婚化の傾向は続いているようですがプレッシャーを感じる人も多く、こういう言葉に敏感に反応するとか。要するに独身者をイジる言葉の1つらしいですね。そんな必要はないと思うけれど。

 さて「平成ジャンプ」は結婚だけではない、という話です。

 阪神が今季用意したポスターのキャッチコピーはこんなのです。

 「平成最後の覇者は、俺たちだ」

 威勢がいい。なるほど。来年の優勝チームが決まる秋のころはすでに平成ではないですからね。

 昭和最後の覇者はどこだったでしょう。セ・リーグは星野仙一さんが率いた中日だったが日本シリーズで西武に負けました。だから覇者は森祗晶監督の西武です。

 そして本題です。

 現在の12球団にあって、平成、つまりこの29年間に日本一になっていない球団は2つだけです。

 そう、阪神と広島なのです。阪神はあの85年(昭60)の日本一が史上唯一。広島は84年(昭59)が最後です。セ・リーグで今季もしのぎを削ると思われる2球団のうち、いずれかが平成時代に日本一を経験せず、次の年号に飛び込む「平成JUMP」球団になってしまうことが、すでに決まっています。

 もちろん、日本シリーズ、その前にクライマックスシリーズがあるし、簡単ではありませんが、とりあえず阪神、広島の2球団には「平成最後の覇者」争いを堂々と展開してほしい。早々と散る桜を見ながら、そんなことを思っています。