<イースタンリーグ:日本ハム4-4ヤクルト>◇1日◇鎌ケ谷

日本ハムの高卒2年目、育成ドラフト1位・福島蓮投手(20=八戸西)の投球内容に、こういうピッチングもあるのかと、ある意味衝撃を受けた。

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突然崩れるピッチャーは何人も見てきたし、受けてきたが、素晴らしいピッチングと、アップアップのピッチングを、同じ試合の中で2度も繰り返したピッチャーを初めてみた。

福島の初回は見逃し三振、空振り三振、一ゴロ。

ところが2回は先頭打者を一ゴロに打ち取った後は四球、四球、右飛、右安打で2失点。

これは苦しむかなと思った3回は、先頭打者を空振り三振、再び1番打者から連続空振り三振で3連続空振り三振。

これは立ち直ったと思った4回は右安打、四球、犠打、犠飛でまたしても2失点。

最速151キロのいい真っすぐを投げている。そこにスライダー、カーブ、フォークを交える。いずれの変化球も悪くない。素材の良さを感じさせてくれた一方で、不可解ともいえるほどの好不調の波が来る。

不思議で仕方ない。たとえば、初回から3回くらいまで素晴らしいピッチングが、4回以降にいきなり崩れるパターンというのはよくある。これはスタミナ面の課題や、打者が2巡目になって攻略してくるという側面がある。

しかし、福島のケースは見事なピッチングと、乱調を繰り返した。これはどういうことか。福島のピッチングを見たのはこの日で2度目。もう少しサンプルがほしいところだが、あえて考えてみると、1つの可能性が見えてきた。

初回はスライダー、カーブでどんどんカウントを奪い、打者を追い込んでいた。それが、2回1死から5番打者への初球スライダーがボールになると、ここからストレートのみでフルカウントまで行くも、最後もストレートが高めに抜け四球。

これが1つの負のスイッチになってしまった可能性はある。ヤクルトの中軸ではあるが、初回と同じくスライダー、カーブでカウントを取りに行っても良かったと感じる。

それこそ、ボールになっても仕方ないと、覚悟を決めて投げてみたらどうだったかなと。

もちろん、初回と同じパターンで打たれる恐れもある。しかし、いい感触で初回を打ち取ったのだから、その感触で主軸に挑んでみてもいい。むしろ、初回のパターンを見た主軸に対し、同じパターンでどこまで通用するか、チャレンジする強い気持ちがあってもいい。

育成2年目の高卒ピッチャーとすれば、まだまだ試合の中で揺れ動くものだろう。当然、捕手の支えが必要になる。そこでバッテリーとしてコミュニケーションを取り、どういうテーマでこの試合を作っていくのか、という姿勢が大切になる。

3回に3者連続空振り三振の後、4回は先頭の3番打者に対してスライダーとフォークを交えて勝負している。フォークを右前打され、続く4番にはいずれも変化球が3つ外れ、最後は真っすぐも外れてストレートの四球だった。

その後は犠打と犠飛と悪送球で2失点しているが、こういう中で変化球をカウント球として使えるか、走者を出してからのクイックで球速を維持できるか、など具体的な課題が見えてくる。

190センチ、73キロと、体はプロのピッチャーとして厚みが足りない。これから、トレーニングして体に強さも出て、下半身を使ったフォームにより、ボールにさらに強さが出てくるだろう。

と同時に、いい立ち上がりをした直後に乱れることがないよう、自分が陥りがちな状況でこそ、強気のピッチングを見せてほしい。

いいものを持っている。まだ高卒2年目、そしてまだ育成。いろんな意味で可能性があることは理解できるが、先発ピッチャーは試合を作ること、勝てるピッチャーになることが、非常に大切だ。

この日のような特異なピッチングは早々に卒業して、苦しい中から学べるように、どんどん自分の課題に対し前向きに取り組んでほしい。(日刊スポーツ評論家)