「イチにカケル!」。何事も1番を意識しようという今季のキャッチフレーズだ。だがこんな形で「1位」になるとは-。開幕9連敗はセ・リーグの単独ワースト。過去にもっと弱かった時代はいくらでもあったはずだが、それでもこの状況にはなっていなかった。勝負の世界は恐ろしい。
ギャンブルをする人は経験があると思うけれど負けが込むと流れは悪くなる。この日もそんな感じだ。東京ドームの3試合、先発投手はすべて1回に被弾しているがブルペン陣はかなり頑張っていた。前日までの3試合、2番手以降は無失点でこらえている。
しかし、この日は2番手の浜地真澄が1失点。さらに7回に投げたアルカンタラが誤算で4失点、救援陣で5失点してしまった。9回に木浪聖也、梅野隆太郎に連弾が出たりしたので、これがなければ逆転-というのは「たられば」だけど、もったいない。
少し積極性もなくなってきているように思う。攻撃では1回、近本光司が左前打で出たところか。止めたような感じのバットに球が当たった安打。打球に勢いがなく、近本なら二塁を狙えるのではと思った。
実際に近本も首をひねりながら一塁コーチ・筒井壮と何やら話していた。
「行けたやろ?」
「当たり方がちょっとアレやったんで…」
想像だが、そんな感じだった。それこそアウトになっても攻めたプレーを見せてほしかった気はする。
中田翔に満塁アーチを浴びた1回裏もそうだ。ガンケルは米国流というか、ストライクゾーンにポンポン投げ込む投球スタイル。しかし長打がこわい梅野は慎重にコースを要求し、1死二塁から2者連続の四球。結果的に満塁にして、不調の中田に被弾することにつながったように見えた。
結果論と言えばそれまでだが「勝たなければ」という思いから受けに回るというか「いったれ!」というムードから遠くなっているようだ。無理もないが。
いずれにしてもワースト記録をつくってしまったのは事実。不満たらたらの虎党も、ここから巻き返す姿は見たいだろうし、それを見せるのがプロの仕事だろう。勝敗、結果は後にして、まずは思い切ったプレーだ。指揮官・矢野燿大が言う「オレらの野球」というのはそういうもののはず。矢野の後に監督になる人が誰であっても、その部分は同じなのだ。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




