「あーっ!」と佐藤輝明が叫んだとき、ははあと思ったのである。4回、1死から打席に入ると西武の先発・今井達也にフルカウントまで粘ったものの8球目、高め真っすぐに出したバットが空を切った。空振り三振に悔しそう。思わず「あーっ!」と口に出てしまったのだろう。

この日も「3番・三塁」でスタメン出場した佐藤輝。結果は3打数無安打だった。1回は今井を相手に、やはりフルカウントから6球目を打って二ゴロ。6回の3打席目は、打者13人で5三振を奪う快投を見せた3番手・与座海人の前に2-2の平行カウントから二ゴロという内容だった。

ここで取り上げたいのは三振の数。レギュラー格の打者にそんな話もないだろう、と思う方もおられるかもしれないが、なんと言っても、そこは佐藤輝である。当たればびっくりするぐらい飛ぶが、あっさり空振り三振も…というイメージ、印象を彼に対して持っている虎党、野球ファンは少なくないだろう。

だが、今年ここまでのオープン戦は様子が違う。これで7試合を終え、この日の三振が2つ目となった。7試合20打席で2三振、三振率(三振数÷打席数)は1割である。昨年まで4年間のOP戦を振り返れば、もっとも三振しなかったのは22年。15試合59打席の6三振で同率1割2厘だったから、まだ途中ではあるが最少ペースと言える。

公式戦も同様で、ルーキーだった21年は173三振を記録し、三振率は驚異? の3割8分。もっとも少ないのはOP戦同様に22年で143試合603打席で137三振、同率2割2分7厘のシーズンである。そして5年目の今季だ。

「タイトルは、それは全部取れたら取りたいですけど、本当に今は打率かなという風には思っています。やっぱり打率が高くなれば、もっと長打だったり打点も増えると思うので。しっかり強く振っていく中で、やっぱり打率というのを残していきたいですね」

これは今春のキャンプ中に、虎番記者・波部俊之介が佐藤輝にインタビューしたときの談話だ。打率を残すためには簡単に三振していては話にならないのは、言うまでもないところ。そこを強く意識しているのが伝わってくる春の日々である。特に新指揮官・藤川球児の「佐藤輝3番構想」とあれば、なおさらだろう。ここはしっかりと考えを貫いてほしい。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)

西武対阪神 4表阪神1死、三振に倒れた佐藤輝。捕手古賀悠(撮影・藤尾明華)
西武対阪神 4表阪神1死、三振に倒れた佐藤輝。捕手古賀悠(撮影・藤尾明華)
西武対阪神 4回表阪神1死、三振に倒れた佐藤輝。捕手古賀悠(撮影・藤尾明華)
西武対阪神 4回表阪神1死、三振に倒れた佐藤輝。捕手古賀悠(撮影・藤尾明華)