「高校野球100年」の夏に招かれるように、伝統校が勢いに乗ってきた。昨夏準優勝の小樽潮陵が、少ないチャンスを3、4番ががっちりつかみ、2年連続の4強入りを決めた。1回、2四球と失策で相手にもらった無死満塁の好機に、4番寺井直が変化球をじっくり待って、三遊間を破る技ありの2点適時打。この回、3点を先行し、力投のエース千葉を助けた。

 2回から6回は札幌大谷の本格派右腕、岡本の前に無安打も、7回、久々につくった得点機で、今度は3番福原が技ありの一打を放つ。ファウルで粘りながらタイミングを合わせて、逆方向へ。貴重な追加点をたたき出した。もともとスラッガーだが、今、本塁打へのこだわりはない。昨夏も中軸を担ったセンス抜群の強打者は「逆方向へ狙っていた安打だったので、そこは収穫」と、自身の成長に声を弾ませた。

 準決勝では、古豪の北海と激突する。1920年(大9)、第1回北海道大会の開幕戦が、それぞれの前身にあたる小樽中対北海中だった。簾内義隆監督(45)は「甲子園100年の節目の年に、北海と対戦できるなんて光栄」。相手に不足なし。大金星で、昨夏の再現、2年連続の決勝を目指す。【中島宙恵】

 ◆小樽潮陵の昨夏VTR 小樽地区予選は7-5小樽桜陽、21-0岩内、9-2北照で3年ぶりに突破。北大会は1回戦で知内を9-4で下すと、準々決勝は恵庭南に8-6で競り勝ち、浦河との準決勝は8-9で迎えた9回に2点を奪い10-9で逆転サヨナラ勝ちした。創部111年目で初進出の決勝は、東海大四のエース西嶋に3安打に封じられ、0-1で惜敗した。