智弁和歌山がエース斎藤祐太(3年)の好投と効果的な打線の援護で、3年ぶりの夏出場を勝ち取った。

 両チーム無得点で迎えた4回、智弁和歌山が四球と春野航輝内野手(同)の安打で無死一、三塁の好機をつくった。和歌山商ベンチが初めて取ったタイムが解けた直後、高垣鋭次内野手(2年)は初球をセーフティースクイズ。先制点をもぎとり、8回は3番の山本龍河外野手(3年)がダメ押しの適時二塁打を放った。

 斎藤は9回2死から連打で一、二塁のピンチを招いたが、相手の5番打者を二塁ゴロに。勝利インタビューで「120点のピッチングをしてくれた」とねぎらった高嶋仁監督(69)に対し、斎藤も「一番大事な試合で踏ん張れた。(自己採点も)120点です」とうれし涙にくれた。

 スクイズでの先制に、高嶋監督も「きょうの相手投手の出来を見れば、連打は望めない。あそこはスクイズでしょう」とニヤリ。相手ベンチがタイムを取った間にセーフティースクイズのサインを徹底させたという。強さにしたたかさという智弁和歌山らしいチーム力を備え、3年ぶりの夏に全国制覇を狙う。