駿河総合(中部5位)が、延長で日大三島(東部1位)を破り、2年ぶり2度目の8強入りを決めた。9回裏に同点に追いつかれたが、10回表に酒井翼捕手(2年)の2点適時三塁打で勝負を決めた。

 駿河総合が東部王者から金星を挙げた。4-2の10回裏2死二、三塁、寺坂が投じた163球目で、日大三島のエース海野陽日(2年)を中飛に打ち取った。選手は安堵(あんど)の表情を浮かべつつ、勝利をかみしめた。

 同点にされた直後に勝ち越した。10回表、1死から敵失と安打で一、二塁に走者を置いた。4打数無安打に抑えられていた酒井が内寄りの直球を捉え、左中間を破った。走者一掃の2点適時三塁打となり、酒井は喜んだ。「寺坂が頑張っていたのでここで決めてやろうと思いました。4打席凡退だったので最後に打てて良かったです」。

 中学時代から無名の選手たちが、力をつけてきた。望月俊治監督(50)は、島田商で仁藤拓馬投手(28=元オリックス)を育てた実績がある。この新チームでは、打力強化を目指した。先に素振り、ロングティーを消化し、つかんだ感覚を実戦に近いフリー打撃で体に染み込ませていった。その成果で好投手の海野から10安打。望月監督は「今年の選手はお調子者が多いけど、『いくぞ』ってハッパをかければ勢いに乗って力を発揮する」と話した。

 エースの寺坂も中学時代に県大会出場経験はない。それでも、東部大会6試合52得点の日大三島打線を2点に抑えた。「今日もそうでしたが、相手がどこであっても自分の投球に集中するだけです」と寺坂。次戦は統合4年目で初の4強をかけて、聖隷クリストファーと戦う。【大野祥一】