横浜の強力クリーンアップコンビが、「二刀流」を“解禁”した。来秋ドラフト候補の3番増田珠外野手(2年)と4番のスーパー1年生・万波中正外野手が、そろって公式戦初登板を果たした。増田は2回4奪三振で無失点に抑え、万波も2回を1失点。昨秋から続いていた県内公式戦の無敗は止まったが、2季連続の甲子園へ収穫を得た。

 増田は、笑顔で真っ向勝負を挑んだ。最初に対戦した高校31発の4番正木智也外野手(2年)は、高めの直球で空振り三振。「横浜のエースになりたくて来た。すごく楽しかった」。中学で最速140キロを出し、U15(15歳以下)日本代表に選ばれた右腕が上々の“投手デビュー”を飾った。

 万波も打つだけじゃない。190センチの長身から投げ下ろす直球とスライダーで2奪三振。中学では最速138キロを記録し、外野手兼投手として全国大会4位になった。投球はオリックス金子の動画で研究する。「緊張した。関東大会までに精度を上げたい」と先頭打者への2四球を反省した。

 今秋ドラフト1位候補の藤平尚真投手(3年)が抜けた現チームは、今大会で失点を重ねた。決勝1週間前から登板準備を始めた増田と万波の好投に、平田徹監督(33)は「よくやった。収穫です」と言った。将来を期待される2人が、日本ハム大谷のように投げて打って勝つ。【鹿野雄太】