今春センバツに出場した日大三が、大会後初の公式戦で快勝発進した。「デカプリオ」こと金成麗生内野手(3年)の2ランを含む7本塁打のアーチ攻勢で、葛飾野に14-1で大勝。

 強打の日大三が、春の“神宮花火大会”を開演した。井上大成内野手(3年)の先頭打者本塁打を号砲に、計7発のアーチを神宮第2の青空に描いた。甲子園を2度制した小倉全由監督(59)も「7本ですか? なかなか、ないですねぇ。記憶にないです」と舌を巻く破壊力だった。

 球場をドッと沸かせたのは、「デカプリオ」こと金成の1発だった。4回無死二塁、初球のカーブを右翼席にライナーで運んだ。高校通算21号目に「球場(の狭さ)に恵まれた」と謙遜したが、視察した広島苑田スカウト部長を「清宮に負けないくらいのパワーがある」と言わしめた。

 センバツでは、夏への課題を突きつけられた。初戦で履正社(大阪)に敗戦。「最後に打ち負けた」と同点の9回に一挙7点を奪われた。「夏は打ち勝つことをモットーに。春は自分らしいバッティングができなかったので、夏も行って、自分らしいプレーをしたい」と雪辱を誓った。

 その前に、この春の最大の目標である打倒早実が待ち受ける。この日は中堅で出場し、2本塁打で高校通算24号に到達した桜井周斗投手(3年)は「早実と決勝をやりたいとずっと思っている」と言った。日大三がド派手な7発で勢いに乗る。【久保賢吾】