第99回全国高校野球選手権(8月7日開幕、甲子園)の北北海道大会が今日15日、旭川スタルヒンで開幕する。出場16校が14日、公式練習を行った。10人で地区予選を突破した枝幸は、川合達也左翼手(2年)が大会直前に右足首を捻挫し欠場。9人ぎりぎりで17日1回戦の網走南ケ丘戦に挑み、初出場初勝利を目指す。

 夢だった旭川スタルヒンの土を踏んだ枝幸ナインは、9人しかいなかった。南北通じて最少の10人で、初の地区予選突破を果たした。その晴れの舞台に川合の姿がない。小学校からの顔なじみばかりが集まり、「全道で楽しく野球がしたい」と口をそろえる笑顔の絶えないチーム。公式練習を黙々とこなすナインの笑顔はぎこちなかった。

 たった10人の野球部にアクシデントが襲った。12日の守備練習中、川合が後方に打球を追った際に右足首を捻挫。松葉づえを必要とするほどで、大会出場は絶望的になった。その場で泣き崩れる川合の姿がナインの目に焼きついた。松嶋星憲(しょうた)主将(3年)は「今まで10人でやってきたチーム。1人欠けたら大きい。川合の分までがんばりたい」と気丈に話すが、いつもの笑顔はない。市野紘隆監督(32)も「(川合不在でも)なんともない雰囲気を出そうとしているが、チームで一番声を出すのが彼だったから」と悔しさをにじませた。