「本当に打てないチーム。大会前は、どうしようかと思った」。坂井を初出場に導いた川村監督は苦笑いで言った。決勝ではヒットエンドランを絡めた攻撃が光った。1点リードの2回1死三塁で、仕掛けた。吉田が外角球を転がすと、適時内野安打で2点目。7回は無死一塁から仕掛けて3点目につなげた。

 前身の春江工は13年春、4番捕手の栗原陵矢(現ソフトバンク)を擁してセンバツに初出場。「陵矢が攻守の中心。個々の力はない」という状況で、足を使った小技を磨いた。14年に坂井農などと再編された後も、スタイルは変えなかった。開校4年目で初優勝。監督は言った。「今度は、みんなでつかみ取った甲子園です」。(朝日新聞)

 ◆坂井 2014年(平26)に坂井農、春江工、金津(経理科・情報処理科)、三国(家政科)を統合した県立校。生徒数は808人(女子331人)。野球部は開校とともに創部で、部員数は67人。統合以降の甲子園出場は春夏通じて初。所在地は福井県坂井市坂井町宮領57の5。竹吉睦校長。

◆Vへの足跡◆

1回戦2-1北陸

2回戦4-3美方

準々決勝10-1武生

準決勝2-0福井商

決勝3-0敦賀