明徳義塾(高知)が延長12回の熱戦で日大山形を破り初戦突破。13年夏の雪辱を果たし、馬淵史郎監督(61)が春夏合わせての甲子園通算50勝に王手をかけた。

 序盤から試合は動いた。1回、明徳義塾は2死三塁から4番谷合悠斗外野手(2年)の適時打で先制。その裏に、日大山形も斎藤史弥内野手(2年)が同点適時打を放った。

 2回には明徳義塾が筒井一平捕手(3年)の適時打で勝ち越し。直後に日大山形が、斎藤の2打席連続となるタイムリーで2点を奪い、逆転した。

 中盤以降は引き締まった展開。日大山形・森田南々斗投手(3年)と明徳義塾・北本佑斗投手(3年)の亮先発が力投。6回に両チーム継投し、日大山形は中西翔投手(3年)、明徳義塾は市川悠太投手(2年)が登板した。

 6回、1点を追う明徳義塾は1死二塁と攻め久後が中前打。二塁走者がホームを狙ったが、日大山形の中堅手、鈴木琉生(3年)の好返球でタッチアウト。なお2死二塁で、筒井一平捕手(3年)が左前打。これは左翼からの返球が逸れ、同点の適時打となった。

 8回、明徳義塾は1死一、二塁とチャンスを作ったが久後が併殺打。その裏、日大山形も2死一、二塁と攻めたが無得点。

 10回、日大山形は2死から連打で二、三塁のチャンス。しかし中西が二ゴロに倒れた。

 12回、明徳義塾は2死一、二塁と攻める。4番谷合が三遊間深くへのゴロを放つと、遊撃手が二塁へ悪送球。ボールが外野を転がる間に勝ち越しのランナーが生還した(記録は内野安打と失策)。続く今井もタイムリーを放ち、この回3点のリードを奪って試合を決めた。その裏、日大山形も粘りを見せ、2死から一、二塁のチャンスをつくったが反撃は及ばなかった。

 両チームは対戦前から、馬淵監督の発言などで注目を集めた。前回は13年夏の準々決勝で対戦。日大山形が勝利した。今大会の組み合わせ抽選で再戦が決まった際に、明徳義塾の馬淵監督は「大阪の太った監督のところと当たらなくてよかった。あのとき(13年夏)はナメとった。上(準決勝以降)のことを考えてたし。やっぱり一戦必勝やな」と話していた。日大山形・荒木準也監督(45)も注目選手を問われ「馬淵先生ですかね」と答えるなど、舌戦は盛り上がりを見せていた。