第48回明治神宮野球大会・高校の部に4年ぶりに出場する駒大苫小牧は今日11日、初戦で大阪桐蔭(近畿代表)と対戦する。前日10日は都内で約4時間、練習を行った。エース右腕、大西海翔(2年)はブルペンに入り、44球を投げ最終調整。「これまでの人生の中で1番のゲーム」という大一番で、今春のセンバツ優勝メンバー7人を擁する“西の横綱”に、全力でぶつかっていく。

 大西が“西の横綱”斬りに挑む。エース右腕はブルペンに入り捕手を座らせて、44球を投げ調整した。「上の上のレベルの相手とできるのは大きい。これまでの人生の中で1番のゲームだと思う」。今春のセンバツ優勝を経験した2年生7人が主力の大阪桐蔭。これ以上のない相手との一戦を、「いい経験になる」と心待ちにする。

 最も警戒するのがクリーンアップだ。近畿地区大会決勝で推定130メートル弾を放った来秋のドラフト候補、根尾昂(あきら)内野手(2年)が中心で破壊力は抜群。組み合わせが決まってから、ビデオで入念にチェックした。「ボールが甘く入ったらすぐ長打になる。腕を振ってコースに投げたい」。ブルペンでは左打者5人の相手打線をイメージしながら、沈むチェンジアップを投げた。

 反省を生かす。秋季全道大会終了から1カ月間、荻田隼人捕手(2年)と課題の配球について話し合ってきた。アウトコース中心だった配球を、3日からの関東合宿ではインコースを組み合わせるように意識した。駒大高との練習試合(8日)では8回3失点。「打ち取った打球が多くて手応えはあった。打たれたのはインコースに投げきれなかった時なので気をつけたい」と充実ぶりを口にする。

 俊足対策も練った。50メートル5秒台の藤原恭大中堅手(2年)に対して荻田が別メニューで送球練習を行った。投球フォームの秒数を計測した大西も早いモーションを意識。簡単に走らせないようにする。茶木圭介部長(40)からは「とにかく当たって砕けるぐらいの気持ちで」と声をかけられた。「北海道の代表で出場しているのでチビった投球はできない。とにかくぶつかっていく」。緊張はない。あとは全力で向かうだけだ。【西塚祐司】