Aシードで春のセンバツ16強の明秀学園日立が、今大会の初戦(2回戦)を5回コールド、18-0の大勝で発進した。

 プロ注目打者主将増田陸遊撃手(3年)が3打数3安打4打点の活躍でチームをけん引した。増田は2回裏には中安打、3回裏には通算33号となる逆方向へのソロ本塁打に加え左線への三塁打も飛び出し大暴れ。

 増田は「バッティングが今日ハマるかなと思って、逆方向に意識を持っていった」と本塁打を振り返った。この試合でも1つ盗塁も決めるなど、積極的に攻める増田のスタイルを金沢成奉監督(51)は「猪突(ちょとつ)猛進ですね」といのししにたとえ、好調さに目を細めた。

 夏の初戦(2回戦)は同校にとって鬼門だった。16年、古河三とは延長戦の末に2-1で勝利。昨年は鬼怒商に1点差まで詰め寄られ5-4で薄氷の勝利だった。増田は「過去2年は初戦で苦戦したので、今年はその経験を生かして『乗り切ろう』と挑んだ。本塁にかえれる場面でタイミングを逃したりとスキはあったけれど、次につながる勝利になったと思う」。同監督は「春に甲子園に出て歴史を塗り替えたチームだから」とひと味違うナインににやりと笑った。

 プロ注目右腕細川拓哉投手(3年)は4回裏代打で登場し1打数1安打1打点。5回表には救援として登板し15球を投げ2奪三振、打者4人で斬った。

 この日はプロ野球5球団7人のスカウトがバックネット裏に集まった。増田の打席、守備を視察した広島の尾形佳紀スカウトは「思い切りの良さが出ている。守備も心配していないしプレーに華がある」。ヤクルトの橿渕聡スカウトグループデスクは「積極性が良い。打っても守ってもやれる選手」と話した。

 3回戦は16日、常磐大と対戦する。