高知商が明徳義塾の大会９連覇を阻止し、１２年ぶり２３度目の甲子園出場を果たした。

　打線は鋭いスイングで相手エース市川の直球を攻略。１４安打１０得点で突き放した。投げては、先発の北代（きただい）真二郎投手（３年）が９０キロ台のスローカーブを効果的に使い、明徳義塾を翻弄（ほんろう）した。「力は向こうが上。胸を借りるつもりだった。ＯＢの方の期待もあるし、応えたかった」と２失点完投の右腕は笑顔を見せた。

　高知商は８０年のセンバツで優勝するなど、県内の高校野球をリードしてきた伝統校。しかし最近は明徳義塾と高知の県内２強に押され、８年ぶりの決勝進出だった。１５年から、８０年の優勝メンバーである上田修身監督（５６）が就任。２９年間、中学野球の指導者として経験を積み、教え子に阪神藤川球児がいる。選手との対話を重視し、選手に自信を持たせることに努めた。

　この日は各打者とも力強いフルスイングで明徳義塾に立ち向かった。上田監督はナインの成長に感慨深げだった。「理想以上の試合だった。こんな展開になるとは思わなかった。選手にはずっと言ってきたが、最後の夏を甲子園で終えることは、これ以上ない。２３回目といっても、選手も私も初出場。いろんなことを経験したい」。今年は創部１００周年を迎える。メモリアルイヤーに名門復活の兆しを見せた。