全国高校野球選手権100回記念大会の新潟県代表・中越(2年ぶり11度目の出場)が1日、甲子園見学を行った。一昨年の出場時にベンチメンバーに帯同し、甲子園練習の経験があるエース山本雅樹投手(3年)と左腕の山田叶夢右翼手(3年)はマウンドの感触を確かめながら24年ぶりの白星に向けて気持ちを引き締めた。今日2日は組み合わせ抽選が行われ、対戦相手が決まる。

 中越の2枚看板が2年ぶり甲子園のマウンドの感触を楽しんだ。今年は例年の甲子園練習は行わず、ボールを使わずにグラウンドの雰囲気を確かめる「見学」になった。午後2時30分の開始とともに真っ先にプレートを踏んだ山本はシャドーピッチングを繰り返した。山田は最初は右翼の守備に入り、ほかの野手とともに場面を想定したイメージトレーニング。その後、マウンドでシャドー、けん制の動作を行った。

 山本は「1年生の時に戻ったような感じ」と言い、山田も「2年前の感覚は残っていた」と違和感はなかった。一昨年、2人ともベンチ外だったが帯同メンバーとして甲子園入り。甲子園練習ではベンチメンバーを相手に打撃投手を務めた。今年はボールは握らなかったが、奥底に残っていた手応えを思い出すのに時間はかからなかった。

 15分間の確認作業で2人が感じたのは主力としての自覚。「1年生の時は夢舞台。今は自分が中心にならないと」(山本)「今まで甲子園は憧れの場だったけど、今年はここで勝たなければと思った」(山田)。左右のエースは、それぞれが活躍する場面を思い描いた。【斎藤慎一郎】