一徹が「平成最後の大金星」を挙げた。東農大三が花咲徳栄を破り、18年ぶり2度目の春季関東大会(5月18日開幕、埼玉県)への出場を決めた。秋春連続の関東大会出場になる。

花咲徳栄の強力打線の猛攻を振り切り、飯島一徹投手(3年)はゲームセットの瞬間に泣いた。「花咲徳栄や浦和学院を倒してベスト4に入ることを目標に、東農大三に入りました。勝てたことがものすごくうれしくて」。仲間たちと抱き合った。

最速145キロの直球に微妙に球速差をつけ、ここまで県大会3試合連続2ケタ得点の花咲徳栄打線を苦しめた。「屈せず、強気で、闘志をむき出しに行こうと思いました」。母玲奈さんが昭和を代表する野球漫画「巨人の星」の星一徹から名付けた17歳が、最後まで名前のように筋を通して投げ抜いた。

飯島は、打席でも3回1死満塁で走者一掃の左越え二塁打を放つ大活躍。「エンドランのサインのつもりで打ったら、どうやらスクイズのサインだったみたいで」と運も味方した。

高広聖也監督(31)は試合前、ナインに「今日は平成最後の大金星を挙げるぞ、おれも勝負に出る。平成最後の木っ端みじんもありえるぞ」と宣言していた。「まさか本当に秋春連続関東大会を達成するとは。飯島が号泣しているのを見て『よかったな』って思いました」と、令和初の関東大会出場を心から喜んだ。