高校生歴代最速163キロの大船渡(岩手)佐々木朗希投手(3年)が今春初、令和に入って初めての公式戦に登板。最速は140キロと抑えめながら3回を1安打無失点に抑え4三振を奪いチームの県大会出場に貢献した。

佐々木は「4番投手」で先発。メジャー4球団、国内はソフトバンク1球団の計5球団のスカウト、さらには立ち見も出た満員の観衆の前で落ち着いた投球を見せた。

1回表に「令和第1球」を投じた。住田の1番打者新沼への初球は外角低め135キロ低め直球が低めに外れた。

1番新沼はチェンジアップで空振り三振。2番伊藤はスライダーで空振り三振。3番鈴木はスライダーで中飛に仕留め初回は3者凡退に抑えた。

2回も1三振を奪い3者凡退。その裏の第2打席で中堅左へ目の覚めるような二塁打。その後相手のスキを突く好走塁で得点を記録した。

3回は先頭打者に安打を許したが後続を抑え無失点。試合は3回を終え14-0とリード。佐々木は2番手投手にマウンドを譲り降板した。

試合後に会見した佐々木は「勝つことできてよかったです。1回終わって緊張がとけました。いい形で初戦に入れてよかったです」と話した。

スピードを抑えたことには「コントロールを意識しながら、変化球を試しながら投げました。四球がなかったことが一番よかったです」と説明。大勢のファンの中で投げたことについては「多くても少なくても自分は変わらないと思います」と冷静に話していた。

また国保陽平監督は「ケガ無く終われてよかったなと思います」とホっとした表情。球速が抑えめだったことについては4月中旬に骨密度の測定をしたそうで「まだ大人の体になっていない。球速に関する期待はありますが、スピードに耐えられる体じゃない。ただ代表合宿で(163キロが)出てしまった」と説明した。

「先発させるかは朝まで迷った。いろんなものを背負って投げていくんだろうなあと。背負える運命なのかと思って今日の先発を決めました」と話していた。