第101回全国高校野球静岡大会は、開会式と開幕戦を7日に順延し、開会式後に、東海大静岡翔洋-聖隷クリストファーの開幕戦が行われる。

聖隷クリストファーは、粘りが身上。エース池田隆之介(3年)と山本好輝主将(3年)を中心に、相手に食らいついていく覚悟だ。

雨の降る平日の放課後、聖隷クリストファーは同校グラウンドで、浜松工と大会前最後の練習試合を行った。2点の援護をもらった先発の池田は、2回に相手打線に打ち込まれ7失点。その後味方打線が粘り、9-9の9回表2死満塁で3番山本が中越えに走者一掃の決勝打を放った。

試合後、上村敏正監督(62)は「池田は毎度あのパターン。それでも開幕は彼でいく」と明言。それを伝え聞いた池田は「ありがたい。自分の持っている力を出し切りたい」と表情を引き締めた。

この日は開幕戦を想定して投球。強打の相手打線に外角中心で攻めたが、甘く入った球を痛打された。課題が浮き彫りとなったが「本番では内角で勝負します。死球になっても仕方がないといった意識で臨む」と力を込めた。

自らのバットでチームに勝利を呼び込んだ山本は「今日勝ち切れたことは、チーム全員の自信になったと思う」と胸を張った。打線はつなぎを意識し、5犠打すべてを成功。リードを広げられても集中力を保っていた。それでも山本は「バントは成功したが、最初の1球目で決めきれなかった。本番ではそこにこだわりたい」と課題を挙げた。

上村監督から「力がない」と言われてきた選手たちだが、晴れ舞台での活躍を誓う。山本は「当日は緊張すると思うが、楽しむ気持ちを胸に自分たちの野球をしたい」と意気込んだ。【河合萌彦】