劇的な幕切れだ。5度リードするチームが入れ替わるシーソーゲームを川越初雁がサヨナラで制した。

9回表に同点に追いつかれる嫌な展開も、先頭の1番神木雄生外野手(2年)が左前打で出塁すると、続く土居野憧内野手(1年)が右翼線に二塁打を放つ。一打サヨナラの場面で無安打の3番笠井麟(りん)内野手(3年)が左越え適時打を放ち、試合を終わらせた。

吉田健治監督(35)は「初戦はメンタル的にもかなり厳しい戦いになると思っていました。その通りになりましたね」と話した。劇的な展開に「自分を信じよう。仲間を信じようというのは常に言っている。信じていました。最後はずっとがんばってきた3年がね…自然と涙が…」と振り返った。最後の最後で信頼する3年が決めてくれた。

殊勲打の笠井は「ここで決めるしかないと思いました。最高に気持ちよかったです」と笑顔を見せた。

エースで4番、主将の斎藤真之丞(しんのすけ=3年)は「3年生は夏勝利を経験してなかったので絶対に勝つという意識で。どんな展開でも自分たちのもっているものを出し切ろうと試合に入りました」。劇的な展開で初勝利を経験した。勢いづいたチームが一戦必勝で目標の8強進出を目指す。【佐藤成】