昨夏8強している都留が、甲府西を逆転で下し3回戦に進出した。

エースの根上真投手(3年)が、立ち上がりは4回まで5安打無失点。5回に守備の乱れと適時打、スクイズで2点を先制されたが、すぐに6回1死二塁から3番藤江一平内野手(2年)の適時打で1点差。さらに8回には3安打を集めて3点を奪い逆転に成功。9回にもダメ押しの1点を加えて押し切った。

初戦を突破して、柏木洋和監督(39)は汗ばんだ顔で試合を振り返った。「ゲームプランは6-2で勝つ、そういう考えで臨んだ試合でした。先制してリードを保ちながら失点2で抑える展開と思っていましたが、5点どまりでした。それに先制されたのでプランと違いましたね」。

ほぼノーサイン野球に近い試合の進め方をする。柏木監督は「サインは出してますよ。一応、ユニホームのどこかを触ってはいます。でも、それをしなくても何をすべきか、選手はみんな理解しています。だから、ほぼノーサインと同じということなんですね」。

このスタイルを支えているのは、練習メニューを生徒が考えて実践する選手の自主性の高さに起因している。根上は「僕たちのチームにはリーダー格の5選手がいて、その選手がまとめ役になってメニューを考えてやってきました」と自分たちのスタイルに自信を持っている。

柏木監督は「私学は強いですよ。でも、私たちもこのやり方でやってきました。まだ成長過程ですが、生徒とともにこの夏大きく成長したいと思っています」と、さわやかに笑った。