創部97年目の県立校が金星を挙げた。藤枝北が3-1で日大三島を退け、一昨年準優勝の強豪私立を撃破した。エース山田祐大(ゆうた)投手(3年)が、3安打1失点完投。番狂わせの主役になった。

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藤枝北の選手たちは、校歌斉唱を終えると、大喜びでスタンドへあいさつに向かった。エース山田は右横手から、直球と得意のスライダーを効果的に織り交ぜて完投。「早めに追い込んで、ゴロを打たせることができました」。打たせてとる投球で、春県大会ベスト16の有力私立校に、凡打の山を築かせた。

2017年(平29)春に、創部95年目で県大会初出場を果たした。夏は1998年(平10)の4回戦が過去最高成績。現チームは秋、春通じて公式戦勝利は「1」。県大会出場も逃した。夏は初戦から強豪との対戦となったが、恐れずに立ち向かった。

初回の同点三塁打を含む2安打1打点と活躍した4番土屋祐太外野手(3年)は「プレーでチームを救いたかった。最後まで攻めの野球を貫けました」と胸を張った。スタメンには3年生が4人のみ。下級生主体だが、この日は最上級生がチームをけん引した。近藤好正監督(46)は「大金星です。120%の力を出さないと勝てない相手。3年生たちが、よくやってくれました」と目を細めた。

2回戦は春県大会出場の吉原工と対する。山田は「今日の勝ちは忘れる。立ち上がりが鍵になります」と強調。2戦連続で下克上を狙う。【古地真隆】