秋季高校野球県大会の組み合わせ抽選会が10日、青森、秋田、山形の各県(いずれも14日開幕)で行われた。学校創立100年目を迎えた山形工は、初の甲子園出場に挑む。「全員主将」をテーマに各選手の自覚を促し、各県上位3校に与えられる東北大会(10月11日開幕、岩手)出場権獲得が第1目標。初戦の2回戦では鶴岡工と谷地の勝者と対戦することが決まった。

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山形工は今夏17年ぶりの県4強を果たしたメンバー11人が残った。攻守で主軸を担った主将の榊原直弥外野手(2年)は「3年生にたくさんの経験をさせていただいた。新チームはあまり前に出る人がいないので『全員主将』の意識を徹底しています。自分が気付くことをしっかりやっていく」。グラウンド内ではチームや各自の課題を明確にして仲間とも共有し、日常生活でもゴミ拾いなどの意識が高まってきた。

準決勝の鶴岡東戦で大敗したことも、今ではプラス材料に捉えている。甲子園で高松商(香川)、習志野(千葉)を撃破した全国レベルが指標になった。「鶴岡東さんから強いゴロやライナーを徹底することの重要さを学んだ。変化球もしっかり捉えられないと甲子園には行けないことも分かった」。マシンをさまざまな変化球に設定した打撃練習も数多く取り入れ、手応えは少しずつ得ている。村山地区予選決勝の山形中央戦では7-9で敗れたが、大差から終盤に追い上げて2点差まで詰め寄った。

エース右腕・元木悠馬(2年)も鶴岡東戦で先発し、5回途中8失点の苦い経験を糧にする。「甘いストレートは確実に打たれる。制球やキレなど質の高い直球を追い求めていきたい」。最速136キロからの140キロ超えだけでなく、下半身強化と投球フォームを見つめ直していく。

東海大山形に4失点完投するなど、結果と内容も得た。「自分たちで学校の歴史を変えたい。甲子園で勝てるチームにしたい。まずは東北大会に出ないといけない」。100年目の悲願は全員の意識改革の積み重ねで成就させる。【鎌田直秀】