春夏通じて全国最多11度の甲子園優勝を誇る中京大中京(愛知1位)が、藤枝明誠(静岡1位)を破り10年ぶりのセンバツ出場を濃厚にした。

最速148キロ右腕、高橋宏斗投手(2年)が先発。初回に2点を失ったが、その裏無死二、三塁から3番中山礼都内野手(2年)の右中間適時打などで3点を奪い、すかさず逆転。2回にも中山の2点適時打などで4点を奪った。小刻みに加点し、最後は8回1死満塁から犠飛でサヨナラコールドを決めた。

プロ注目の高橋は常時140キロ台をマークし、最速は球場表示で146キロ。3回にソロ本塁打を浴びるなど8回を8安打5失点も、打線の援護もあり逃げ切った。

高橋源一郎監督(40)は就任10年目にして初のセンバツ出場を手中にし、関係者と抱き合って喜んだ。「選手が粘り強くやってくれた。その一言に尽きます」。16年と18年は東海大会準決勝で敗れるなど、近年はあとわずかのところでセンバツ出場を逃してきた。5打数3安打6打点と活躍した中山は「高橋先生はまだセンバツに出ていないから、(自分たちが)最初に連れて行ってあげようと話していた。その勢いを試合に持って行けたので勝てたと思います」と指揮官に大きな1勝を贈り、笑みを浮かべた。【望月千草】