日本学生野球協会は20日、都内で審査室会議を開き、高校10件の処分を決めた。

暁星国際(千葉)は部員のいじめ(部内)、部員の暴力(部内)で12月12日から6カ月の対外試合禁止を科された。いじめは、2年生3人が1年生1人に対してのもの。肩や顔面を殴る、「死ね」「お前は病気だ」などの暴言を吐く、被害者のスマホを奪い、なりすましメッセージを送る、勝手にアプリをダウンロードする、動画を閲覧する、風呂の床にボディーソープをかけ「人間ボウリング」と称して滑らせる等の行為を、今年5月から被害者が寮を出る9月3日まで続けていた。なお「人間ボウリング」は、加害者も1年生の時に受けていたという。

寮の別の部員が、被害者の1年生がいなくなっていることに気付き、被害者がノートに書き残した内容を発見。文面自体は直接いじめを示す記載はなかったが、ただごとではないと感じた同部員が監督に報告。いじめの発覚につながった。2年生3人の行為に気がついていた部員もいたが、見て見ぬふりだったという。

被害者は加害者にもなってしまった。8月20日、同じ1年生部員とのふざけ合いがエスカレート。相手から殴られた。それに対し、金属バットを持って相手の部屋に押しかけ、相手の腕にカッターを押し当てたという。この件が、部内暴力と認定された。

審査室会議の担当者は「(被害者は)それだけ精神的に追い込まれていたのだと思う」とおもんぱかった。転校の方向という。いじめの加害者3人は停学等、学校の厳しい処分を受けている。

大和広陵(奈良)は部員の暴力(部内、部外)で11月17日から3カ月、つくば国際大東風(茨城)は部員の暴力(部内)で12月18日から3カ月、ともに対外試合禁止を科された。