岩手県高野連は15日、盛岡市内で常任理事会を開き、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、春季各地区予選および県大会の中止を決めた。17日の評議員会で承認を得て、最終決定となる。

大原茂樹理事長は「センバツも中止になって、それでも出来るんじゃないかという可能性を探ってきたが、非常に悔しいです。選手や関係者の健康や安全の保証がゼロにはならなかった」と苦渋の表情で説明した。岩手県の面積も広く、県大会はどこで開催しても移動や宿泊が伴う。地区予選だけ開催することも模索したが、全国で唯一、感染者が出ていない状況も含めて、決断は難しかった。

今後は夏の開催に向けて尽力する。「高校野球だけではないのですが、懸命に夢を追い続けている努力を表現する場を与えてあげたい。子どもたちを、このまま卒業させたくはありません」と同理事長。開催出来た場合のシード校決定方法など、今後の検討事項もたくさんある。11年3月の東日本大震災後も懸命に実施した春季県大会だが、規模縮小しても困難だった。

県教育委員会の指針により、現在は練習や県内限定の練習試合を行っている。学校判断により、試合は自粛しているチームもある。日本高野連は6月上旬にも方向性を示す予定。夏の開催を信じ、準備を積み重ねるしかない。東北では4県で県大会中止が決まり、青森と福島は今後の理事会で開催可否が決定する。