昨夏甲子園覇者の履正社(大阪)が23日から段階的に再始動していく。緊急事態宣言は解除となったが、まだ全体練習はできない状況が続く。そんな中、土、日だけだが、茨木市の練習グラウンドを使っての個人練習を解禁する。自宅周辺ではできないノックや打撃練習などもできる。

連覇を狙った夏の甲子園大会は20日に中止が決まった。代表に選ばれていたセンバツに続く悲報だった。松平一彦部長(42)は「3年生はこれからも大学などで野球を続ける選手ばかりなので」と話す。元阪神関本賢太郎氏(41)の息子で今秋ドラフト候補の主将・関本勇輔捕手ら3年生は、大阪府高野連が検討している代替大会はもちろん、この先のステージへ向けグラウンドでの練習を再開する。

中止発表の20日は3年生の登校日だったが、決定後に岡田龍生監督(59)ら指導者と顔を合わせるのは初めてとなる。活動停止から1カ月半が過ぎた。ブランクを取り戻すためにも、少しずつ実技練習を行い、全体練習再開へ備える。通常は専用バスで学校からグラウンドへ移動するが、密となるため使用できず、保護者などが車で送迎する。感染予防に最大限に配慮しながらだが、履正社グラウンドに久しぶりに球音が戻ってくる。【石橋隆雄】