今春に創部した花巻東(岩手)女子硬式野球部が30日、岩手県内のグラウンドで初の練習試合を行った。同校OBでメジャーリーガーの大谷翔平投手(25=エンゼルス)の父徹さんが監督を務める金ケ崎リトルシニア(メンバーは中学1、2年生)に2-16の大敗を喫した。

悔しい初陣だった。先発の左腕・上地琉夏投手(1年)は、ストライク先行の投球で勝負するが、甘く入った球をことごとく痛打された。3回途中14安打13失点で降板し「ストライクを取るのに必死だった。コースにこだわって投げることができなかった。フォームを見直して、次の実戦登板で結果を出したい」と唇をかんだ。

その後も得点を奪われたが、6、7回(最終回)は無失点で切り抜けた。2番手で登板した外野手の新沼瑞姫(1年)が粘りの投球を披露。6回無死一塁の場面では相手打者を二ゴロに仕留め、鮮やかな併殺を完成させた。これにはベンチの三鬼賢常監督(58)も「ナイスプレー!」と興奮気味に絶叫した。さらに7回も初の3者凡退で切り抜け、尻上がりに良化していった。同監督は「選手は試合の中で成長してくれていた。試合の感覚を味わえたのは財産になる」。大敗の現実にも、光は見えていた。

4番を打つ河野瑠生主将(2年)は「負けたのは悔しいけど、練習よりも野球の試合はやっぱり楽しい。まだまだ課題はたくさんあるので、これからの練習で改善していきたい」。挑戦は、まだ始まったばかりだ。【佐藤究】