新潟県高校夏季野球大会の組み合わせが1日、代理抽選で決まった。全国高校野球新潟大会に代わる大会には73チーム(69校、合同4)が出場。2回戦で高田商と対戦する関根学園は3年生15人だけで出場する。

新型コロナウイルスの影響による自主トレでパワーアップした1番樋熊栞汰(かんた)中堅手(3年)がチームをけん引する。大会開幕は18日。決勝は8月6日にハードオフエコスタジアム新潟で行われる。

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何度も厳しい状況に見舞われても、樋熊の気迫はみなぎっていた。十日町出身で選手寮住まい。3月3日に新型コロナウイルスの影響で実家に戻り、4月6日の始業式(中止)に合わせて再入寮。緊急事態宣言などで自主トレが長く続いても、野球への意欲は衰えなかった。春季大会が中止となり、甲子園につながる夏の新潟大会も中止。「気持ちが切れる3年の仲間もいた」と話したが、樋熊はパワーを全身に蓄えてきた。

関根学園は冬場、ウエートトレーニングに時間を割いてきた。安川巧塁(よしたか)監督(28)の「一生懸命頑張っても、数値が上がらないのは努力と認めない」という方針の下、筋力アップに取り組んだ。「確実に体が変わるのがわかって楽しかった」。ひと冬を越え体重は8キロアップ。ベンチプレスは1月は70キロだったが、5月には90キロとなった。安川監督も「ひ弱だったけれど、力がついて打球が飛ぶようになった」と努力を認める。

昨秋、樋熊は背番号「18」で初のベンチ入り。打力がアップしたこの夏は1番打者に指名された。関根学園は3年生15人だけの大会挑戦を決定済み。高校最後の試合にかける結束力で勝負する。“甲子園”という目標が消え、1、2年生との紅白戦でも負けていた3年生の意識は大会に向け上がっている。「1番打者として初回から塁に出てチームに勢いをつけたい」。樋熊にとっては、最初で最後の夏になる。【涌井幹雄】

◆樋熊栞汰(ひぐま・かんた)2002年(平14)11月25日生まれ、十日町市出身。野球は十日町東小2年から少年野球のEレックスで開始。昨秋は背番号18で初のベンチ入り。主に守備要員だった。希望進路は消防士。右投げ、右打ち。173センチ、71キロ。血液型A。