新型コロナウイルスの影響で中止された今春センバツに出場するはずだった32校を招く甲子園高校野球交流試合(8月10~12、15~17日)の抽選会が8日、オンラインで行われた。各校1試合ずつ計16試合が組まれた。

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花咲徳栄(埼玉)・井上朋也外野手(3年)は今秋のドラフト候補同士の対決を歓迎した。大分商・川瀬に「良い投手と対戦できるのはうれしいので、楽しみにしたい」。7日の練習試合で本塁打を放ち、高校通算48本まで積み上げてきた。開幕試合ということもあり、大会1号も期待される。「ホームランに越したことはないので打ちたい。川瀬君からホームランを打つことが目標の1つになりました」と闘志を燃やした。

7イニング制の埼玉独自大会では1番を務める予定だが、甲子園では4番に座る。2度経験した聖地で、1発は出ていない。最後の夏は打撃でチームを引っ張っていく。「大分商は、主将でエースで4番の川瀬君が中心のチームだと思う。泥くさく1点ずつ取っていきたい」と意気込んだ。

当日は選手宣誓の大役を担う可能性もある。3月にセンバツ中止を受けて模擬開会式を行っただけに「練習をしておけばよかった。話すのは得意じゃないけど頑張ります」と控えめに笑った。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、聖地で試合ができないと思った時期もあった。野球ができる感謝の気持ちを忘れずにプレーをする。「仲間と野球ができることに幸せを感じながら練習をしてきた。勝たないと楽しくないので、勝ちにこだわってやっていきたい」。泣いても笑っても1試合。特別な舞台で念願のアーチを描き、有終の美を飾る。【湯本勝大】