球児たちの特別な夏が、幕を開けた。名門・浜松商は、浜松市立に12-5で快勝し、初戦突破。

甲子園出場経験校対決は、静岡市立が2-1で常葉大橘を退けた。熱海・金谷・佐久間の3校連合は、昨夏準優勝の駿河総合に0-13で5回コールド負け。走者を1人も出せず、完敗した。この日は、1回戦22試合中5試合が雨のため中止。12日に順延された。

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名門浜松商は投打がかみ合い、順当に初戦突破を果たした。先発右腕の石津宏志(こうし、3年)は3回までに7四球と制球に苦しみながらも、5回2安打1失点。打線は4番の山本陸来一塁手(りく、3年)が3安打3打点を挙げるなど、計13安打を放った。エースが粘投し、打線が奮起。石津は「緊張したけれど、みんなが助けてくれました」と、チームでの勝利を強調した。

3年生全22人がベンチ入りし、この日のスタメン9人も最上級生。甲子園出場はなくなったが、高校生活最後の大会に懸ける思いは変わっていない。大会前には応援団と吹奏楽部が主体となり、壮行会を開催。田川智博監督は「いろんな人に応援してもらっている。選手はそのことをしっかりと感じてプレーしていると思う」。声援がなく、例年とは違う雰囲気の中でも、本来の実力を発揮した。

危なげなく初戦を突破したチームは、2回戦で浜名と対戦する。山本が「次も自分たちの野球をして勝ちたいです」と話せば、石津も「今日ダメだった立ち上がりをしっかり修正して、リズムよく投げていきたいです」と、闘志を燃やした。【神谷亮磨】