春夏通算3度の甲子園出場を誇る羽黒が、同11度出場の酒田南に競り勝ち、4年連続で8強入りした。4番本田旭捕手(3年)が2安打1打点。守備でも投球スタイルが異なる3年生トリオを好リードした。

同じ庄内地区の強豪私学対決とあって、本田は初回から燃えていた。1点を先制後の1回裏1死二塁、「仲間を信じて自分もつなごう」と変化球を左翼に運んで適時二塁打を放つと、3点リードの7回無死では「初球スライダーを体が勝手に反応した」と中二塁打。この安打をきっかけに3得点し、宿敵を突き放した。

リードでは先発の長身190センチ右腕・西條賢人に「直球主体に思い切って投げてこい」。2番手のサイド右腕・仁平大翔には「楽しんで投げてこい」と鼓舞。最後は今夏初登板のエース左腕・高橋涼をコントロールし、詰め寄る酒田南を振り切った。今日24日の準々決勝は夏の県V2を狙う鶴岡東。昨夏も準々決勝で対戦して2-4の僅差で敗れたが、2年生唯一のスタメン出場だった本田は1本塁打を放った。「去年悔しい思いをして、そこから自分は進化できた。同じ(準々決勝の)舞台で戦えることは楽しみ」。扇の要が一投一打に思いを込め、雪辱してみせる。【相沢孔志】