近江兄弟社の南井(みない)秀太投手(3年)が公式戦初先発初完投でチームを勝利を導いた。「初めは、あとの投手に任せようと思っていたが、途中から自分が投げないとと思った。(緊張で)苦しかったが仲間の支えで乗り越えた」。昨秋は右肘故障でベンチを外れ悔しい思いをし、冬は走り込みなど体作りに多くの時間を割いた。春季大会が中止となり、今大会で初めて背番号1をつけ「緊張した」というが、9回6安打1失点と堂々の投球。森地道之監督も「無四球で安定感があった」と評価した。

1回戦では喜多良介投手(3年)の後を受けて登板した。ここまで南井は「喜多に負けないように、喜多よりも」という思いで練習を重ね、切磋琢磨してきた。「内角なら(喜多に)負けない」と制球に自信を深め、言葉通りの無四球完投だった。3回戦は昨秋黒星を喫した大津商との一戦。「秋に負けたぶん、自分が投げて勝ちたい」と闘志を燃やした。【平井稀花】