新潟県高校夏季野球大会の決勝が6日にハードオフ新潟で行われ、日本文理と中越が激突する。2年連続11度目の“夏”制覇を狙う日本文理は主軸としてマウンドに立ってきた背番号5の長谷川優也内野手(3年)が万全の態勢。いつでも投げられる用意をして臨む。2年ぶり12度目の“夏”王座を目指す中越は県内屈指の速球右腕、エース佐藤旦有夢(あゆむ)投手(3年)が日本文理打線に立ちはだかる。

   ◇   ◇   ◇

中越のエース佐藤旦は決戦への準備をすべて整えた。大一番を翌日に控えた5日はノースローながら表情は闘志あふれていた。この日の練習はキャッチボール、投内連係、フリー打撃。約2時間の最終調整だったが「体が軽過ぎず、疲労もない。いい状態」と言う。「自分が点を与えなければ(チームは)点を取ってくれる。自分の役割を果たせば、勝てると思う」とエースの自覚は十分だ。直球の最速は145キロだが、スピードにはこだわらない。「コースを突く投球ができたら0点に抑えられる」と言った。

投手陣はエース佐藤旦と、左腕・佐藤雄飛(3年)の“ダブル佐藤”が軸だ。佐藤旦は「(佐藤雄は)いなくてはならない存在。いたからこそ、ここまでこれた。そしてライバル」と佐藤雄を評した。その佐藤雄が準決勝(上越戦、7○0)で好投しているだけに、決勝へ気迫をむき出しにする。「今年は甲子園という目標はなくなったけれど、県大会優勝という目標ができた」。そのターゲットへ、あと1勝。「冷静さを失わないのがエース」と佐藤旦は、どんな状況にもマウンドで顔色ひとつ変えない心づもりだった。【涌井幹雄】