3月19日開幕の第93回センバツ高校野球大会に出場する天理(奈良)のエース達孝太投手(2年)が21日、天理市内で行われた紅白戦に登板し「進化」の片りんを見せた。

7回から登板。1死後、145キロ内角速球で遊ゴロに詰まらせた。今季2度目の実戦で早くも自己最速まで1キロに迫った。最大の収穫は次打者から空振り三振を奪った内角高め速球だ。「追い込んでから高め速球は『シュート成分』が入って空振りを取れて良かった。メジャーでも右打者の空振りを取りやすい。理想の高めの真っすぐ」。8回も同じ軌道で空振り三振。193センチの長身は迫力十分で「もう少し、3、4キロは出ます」と手応えだ。

この日は3回2失点。制球など課題を克服しつつ、残り1カ月で状態を高めていく。近鉄などでプロ通算87勝の山崎慎太郎投手臨時コーチ(54)も「もっと球は強くなる。伸びしろはすごいものを持っている」と評した。計り知れない潜在能力が魅力で、この日もロッテが視察。大会の目玉になる可能性すら秘める。明日23日は組み合わせ抽選。達は「秋に負けた大阪桐蔭に絶対リベンジしたい」と意気込む。昨年10月、近畿大会で大敗したV候補に雪辱するため、器を限りなく広げていく。【酒井俊作】

▽天理中村良二監督(達について)「配球を考えて速球の後の変化球を意識して投げていたように感じた。課題を持ってやっている分にはいい。全体的に球が高かった。あと1カ月。どう自分で調整できるかです」

▽ロッテ三家スカウト(達について)「まだこの時期ですが、球自体、すごくいい球を投げています。あれだけ身長がある。キレイでバランスのいい投げ方。関節も柔らかい。今年すごく楽しみな選手です」