春季高校野球九州大会の第2日が行われ、今春センバツに出場した宮崎商の5番・西原太一外野手(3年)が、初の1試合3本塁打で初戦突破に貢献した。センバツ1回戦では天理(奈良)のドラフト候補・達孝太投手(3年)に圧倒され力不足を痛感。そこから打ち方に試行錯誤を重ね、打撃フォーム修正で結果を出した。九州国際大付(福岡)は大分舞鶴を下し、センバツ8強の福岡大大濠は延長13回、タイブレークの末、津久見(大分)にサヨナラ勝ちした。

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西原が、バットのヘッドを立てる打撃改造で1試合3発と大暴れした。

8回無死。先頭打者で「ちょっと狙っていた」と低め直球をすくい上げ、高校通算19本目(公式戦は6本目)となるポール際への左越え本塁打を放った。「ファウルかなと思ったが一番、手応えがあった」という会心の3本目。1試合3発に「甘い球が来て打てた。3本打ててすごくうれしい。本塁打が勝ちにつながっていいと思う」と喜んだ。

2回も先頭打者で先制本塁打を放ち、チームを勢いづけた。内角直球にうまく体を回転させ左本塁打。「つまったのでレフトフライかなと思ったが飛んでくれた」と、技ありの1発だった。2本目は6回1死から、得意とする低め変化球を捉え左へ本塁打にした。

今春センバツ1回戦で天理・達を攻略できず1-7で敗れた。西原も3打数無安打2三振に終わり「実力は2割しか出せなかった」という。だが、そこから反省を生かし打ち方を研究した。「ヘッドが寝ていたので立てる意識で練習し、ミート率が良くなりました。最短でバットを出すことを意識しています」という新打法で結果を出した。

将来はプロ入りが目標で、エンゼルス大谷、阪神佐藤輝らの打撃映像も参考に、その“進化”を表現した。【菊川光一】

◆西原太一(にしはら・たいち) 2003年(平15)9月5日、宮崎市生まれ。広瀬北小3年から広瀬北スポーツ少年団でソフトボールを始める。小5で全国大会8強。小学生時は水泳、体操も経験。久峰中2年で全国大会出場。宮崎商では2年の新チームから右翼でレギュラー。趣味は読書。遠投115メートル。50メートル走6秒2。右投げ右打ち。181センチ、78キロ。