北海道高野連は18日、札幌市内で運営委員会を実施し、春季全道大会を2年ぶりに開催することを決めた。当初有観客を予定していたが、北海道に緊急事態宣言が出されたことで控え部員、保護者も入れず無観客開催する。開催決定を受け同委員会後、オンラインで組み合わせ抽選が行われた。大会は24日に札幌円山で開幕し、予定通り進めば30日に決勝が行われる。

 

困難な状況の中、万全の対策を取って大会を開く。昨夏の道高野連独自大会と昨秋全道大会は控え部員、保護者、学校関係者の入場が許可されたが、今回は、それも認めない。完全無観客開催となる。19年秋季全道大会以来の有観客開催を目指していたが、北海道に緊急事態宣言が出されたことを受け、方針転換した。

この日の運営委員会は予定時間を30分延長。道内や札幌で新型コロナウイルス感染者が増えている状況で、どうすれば開催できるかに議論を費やした。横山泰之専務理事(47)は「人流をいかに少なくするか。開催することでご批判もあるかと思う。ただ、昨年も中止になっている。制約がある中でも何とか選手たちが力を発揮する場を設けてあげたかった」と説明した。

昨夏と秋同様、開会式は行わない。球場に入れるのは監督、部長、ノッカー、選手18人と記録員1人、補助員6人の計28人のみ。進路に関わるとしてNPBや社会人、大学などのスカウトは人数制限し、入場可能。人との接触回避や感染予防対策を徹底し、昨年失われた春の舞台を整える。【永野高輔】

 

<展望>昨秋王者北海は、エース左腕木村大成(3年)を中心に、16校中トップの防御率0・00と安定した投手力を武器に春秋連覇に挑む。初戦で対戦する旭川大高は、地区代表決定戦でプロ注目右腕の旭川実エース田中楓基(3年)を撃破。継投と粘り強い打線を生かし、昨秋2回戦で敗れた北海への雪辱を狙う。20年ぶり出場の釧路北陽は、昨秋全道4強の武修館を8-0で下し勝ち上がっており、台風の目になりそうだ。

 

○…5月下旬から始まる全道高校総体は現状、全競技予定通りの日程で、感染対策を徹底した上で無観客開催する。既に複数競技の支部予選がスタート。道高体連事務局では「全国大会が中止になっていないからには代表を決めなければならない。今後、状況がさらに悪化したり、全国大会が中止となった場合は、会議を開き、対応を考えたい」と説明した。