札幌静修の背番号16、古石昇路(のりみち)三塁手(2年)が劇的な逆転サヨナラ2ランを放ち、チームを3季通じて初の道大会4強に導いた。0-1の9回2死から前の打者が四球で巡ってきた打席。「真っすぐで来るかなと思って狙っていた」。直球を強振すると打球はぐんぐん伸び、左翼芝生席に。「びっくりしています…」と本人も衝撃的なラストシーン。大喜びのチームメートたちに吸い込まれ、歓喜の輪の中心となった。

昨秋は控えメンバーでベンチ入りしていたが、今春は正三塁手不在のチーム事情があり、地区予選から出場機会がめぐってきた。ただ、地区から前の打席まで18打席無安打。「正直、代打が来るのかなと思っていた」という8番打者が、練習試合でも打ったことがない人生初の本塁打。大仕事をやってのけた。

木無真人監督(41)は「決して起用ではないが、黙々とコツコツやるタイプ」と殊勲の古石を評価した。175センチ、64キロと細身な体形だが、毎日200~300本のスイングをこなすなど継続してきたことを信じ、最高の結果につなげた。

チームは男女共学化の00年に創部以降、初めてベスト4進出となった。木無監督は「古石もそうですけど、それぞれの仕事をやり切った中で恵まれた展開になったのかな」と振り返った。29日の準決勝に向け、古石は「やることは今までと変わらない」。この勢いで目指すは春の全道頂点だ。【山崎純一】

◆札幌静修の道大会 春は今回2度目、夏1度、秋1度の出場。過去の勝利は14年春の1回戦で苫小牧中央に3-2で勝利した1度のみ。今回の1大会2勝、ベスト4進出は3季通じて初めて。

○・・・東海大札幌は土壇場の逆転サヨナラ負けで、5年ぶりの4強入りを逃した。4回に佐々木雄哉中堅手(3年)が左中間に先制弾。背番号2で先発した唐川侑大投手(2年)が1点を死守していたが、手痛い1発を浴びた。再三つくったチャンスを生かせず、大脇英徳監督(45)は「課題が浮き彫りになった」と話した。

▽公式戦初本塁打を放った東海大札幌・佐々木 先頭だったので初球から思い切りいこうと思っていた。

▽9回に被弾した東海大札幌の唐川 ツメの甘さ、気の緩みが最後に出てしまった。最後まで気持ちを切らさず、投げ切ることが出来なかった。