第103回全国高校野球茨城大会(7月8日開幕)の組み合わせ抽選会が23日、水戸市内で行われた。夏初出場を狙う明秀学園日立の勝利のカギを握るのは、1番に座る石川ケニー外野手(2年)だ。

強力打線はケニーのバットで波に乗る。日本人の父とアメリカ人の母の下、ハワイで生まれた。父則良さん(47)は現地独立リーグのハワイアンリーグで投手兼外野手としてプレーしたが、息子が生まれた頃には現役を引退。幼少時からサーフィンに挑戦するなど、コバルトブルーに輝く海のそばで伸び伸びと育った。

小2冬、家族で日本に移住。同時に瀬谷リトルに入団し、本格的に野球を始めた。「プロ野球選手」を目標に掲げ、父と息子の野球が始まった。毎日約4時間、走り込みからティーバッティング。中途半端なプレーは許されない。「しっかり振り切れ」。泣きながら練習した。「厳しかったけど、それがあったから今がある」と笑顔で振り返る。

高校入学後、長打力を磨き、現在、高校通算本塁打は11本。スイングスピードはチーム1。投手も兼任し最速は140キロだ。「身体能力は抜群」と金沢成奉監督(54)も太鼓判を押す。今年は甲子園出場で全国へアピール。そして、来年は父がかなえられなかったプロ野球へ。「暴れます」。明るく芯は強い。ハワイ生まれの血が騒いだ。【保坂淑子】

◆◆石川ケニー(いしかわ・けにー)2004年(平16)4月7日生まれ、ハワイ州マノア出身。小2から神奈川の瀬谷リトルで野球を始め、中学は瀬谷リトルシニアでプレー。中2で全国大会出場。明秀学園日立では1年秋からベンチ入りし、クリーンアップを打った。今春から1番に定着。178センチ、76キロ。左投げ左打ち。家族は両親と兄2人、妹2人。