北大会33度出場の稚内大谷が、初出場の別海を10-3の8回コールドで下し、6年ぶりの北大会勝利を挙げた。7回1死から瀬川が大会1号となる左越えソロを放つなど計13安打。毎回得点で10点をたたき出し好発進した。

8番打者が、人生初の1発でチームを勢いづけた。5点リードの7回1死、1ストライクからの2球目を強振。「少し根っこの方だったので外野手に取られると思ったけど、何とか入ってくれてうれしい」。打球は風にも乗って左翼芝生席へ。それまで3打数無安打1三振も、本間敬三監督(37)に「力を抜いていつも通り振って来い」と助言され、リラックス。「僕はすぐ力みがちなので、監督のひと言で、うまく振れた」と喜んだ。

過去、3度の北大会準優勝が最高成績で、あと1歩のところで聖地に届いていない。本間監督は「ここまで、たくさんのOBの方たちが悔しい思いをしてきた。今度こそ、という思いは強い」。全道10地区で唯一、甲子園出場校のない名寄地区の盟主が、最北からの甲子園出場を目指し、一戦必勝で立ち向かっていく。【永野高輔】

▽別海・島影隆啓監督(39) 「もう完敗ですね。あれだけ点数を取られてしまったら太刀打ち出来ませんし、まだまだ全道で勝つ力がなかったということだと思います。3年生の鎌田は頑張ってくれた。ありがとうと言いたいです。」

◆南北北海道大会初出場校の成績 過去10年、16校(南9、北7)が出場。初戦を突破したのは、南が12年札幌龍谷学園、18年北星学園大付、北が16年クラーク、18年紋別の計4校。初陣Vは、59年の南北分離前および、中等学校優勝野球大会予選の道内初開催を制した北海中も含め、66年駒大苫小牧、71年留萌、16年クラークなど計6校。