島田商が、第5シードの加藤学園を3-1で退けた。エース右腕・新木柊(しゅう、3年)が、5安打1失点の力投で相手の強力打線をねじ伏せた。序盤の3回は、走者を1人も出さない完全投球。「緊張せず、試合を楽しもうと思って投げていた」。2点リードの8回1死一、三塁では「1点はしょうがないと覚悟していた」が、得意のカットボールで三併に打ち取り無失点。「大きなプレーだった」と笑顔で振り返った。

野球への探求心が強く、現チームが発足した昨夏には、「投球の幅を広げるために」と新球種の取得を目指した。中でも「バットの芯をずらす球」として、カットボールを練習。インターネットで、プロ野球オリックスのエース山本由伸の投球動画などを見て投げ方を覚えると、わずか1週間で習得。その後も磨きをかけ、自身の武器とした。

18日の駿河総合戦では、129球を投げて完封。この日と合わせ、3日間で254球を投じた。今大会は「1週間で500球以内」の制限が設けられているが、横山崇監督(42)は「3回までに0-0だったことでロースコア戦を覚悟し、継投は考えなかった」と明かす。次戦以降、球数を抑えた投球が求められるが、新木は「まずは体調を整えて、次も今日のような投球をしたい」。81年ぶりの夏の甲子園を目指し、右腕を振り続ける。【河合萌彦】