堀越が、7回コールド勝ちでベスト16進出を決めた。大会前に左手親指を負傷した黒井怜主将(3年)が、1点リードの2回2死満塁から走者一掃の3点適時二塁打を放ち、チームを勢いづいた。

絶好機で内角直球を中堅右にはじき返した黒井は「正直、やってやったぞと。うれしい気持ちが大きかったです」と振りかえった。6月下旬の練習中、帰塁の際に左手親指を故障。「骨挫傷」と診断され、2週間のギプス固定を強いられた。初戦の目黒との2回戦は欠場。22日の小松川との3回戦前も完治していない状況だったが、監督に「次の試合、出させてください」と直訴。「もう少し休め。焦るところではない」と諭されたが、「初戦(3-2で辛勝)を見ていると、自分が出て打ちたい気落ちが強くて」と意思を通した。

ギプス固定中も下半身のトレーニングや、右手1本でのスイングを重ね、ゲームに備えてきた黒井。「もう動かせるので。自分としては治ったに近い」と不安もない。27日の5回戦は都立の強豪・小山台が相手。「キャプテンとして、練習からもう1回、気を引き締めていきたい」。完全復活した主将が、チームを熱くけん引する。