戦国東都で2度のリーグVを知る名将が、鹿島学園を初の甲子園に導いた。鈴木博識監督(70)は26年ぶりに甲子園で采配を振る。試合後のインタビューでは目に涙を浮かべながら、「最高です。選手が一体となった結果です」と両手を上げた「Vポーズ」で、スタンドの応援に応えた。

鈴木監督は栃木・小山市出身で、小山高3年時に投手で夏の甲子園に出場した。日大、社会人の三菱自動車川崎でプレーした後、指導者に転じた。

青森商監督を5年務め、1985年春の東北大会で優勝。日大の投手コーチを経て日大藤沢(神奈川)監督に転じ、就任8年目の1995年に神奈川大会を初制覇し、指導者でも甲子園出場を果たした。甲子園でも2勝を挙げ、3回戦で中日福留孝介らを擁したPL学園(大阪)に敗れた。

翌1996年から東都大学リーグの日大監督に就任。当時は2部だった母校を98年春から1部に復帰させた。2001年春には17季ぶりの1部優勝に導き、2004年春は48年ぶりの全勝Vを飾った。

1度2部に降格するも2008年春に1部復帰。同秋の入れ替え戦で敗れて2部降格が決まり、翌2009年春のリーグ戦後に退任した。

日大時代の教え子には阪神吉野誠投手、ロッテ加藤康介投手、巨人村田修一内野手、ヤクルト館山昌平投手、ロッテ那須野巧投手、現役では広島長野久義外野手らがいる。