全国高校野球選手権に出場した日本文理の新チームが29日、同校グラウンドで紅白戦を行った。新主将の竹野聖智捕手(2年)は甲子園ベンチ入りメンバーが中心の紅組の5番打者で、左翼へのソロ本塁打を含む5打数5安打3打点と気を吐いた。目標に来春のセンバツ優勝を掲げる新リーダーは、まずは秋季県大会(9月9日開幕)に向けてチームを結束させる。

鋭いスイングから飛び出したライナー性の打球が、軽々と左翼ネットの上を越えた。先頭打者の6回裏、竹野は新主将の名刺代わりのように豪快な1発を放った。「1球に対して集中する」を練習から改めて意識してきた。好調な打撃もその成果の一端だ。1回裏の1打席目、いきなり2死一塁から左翼線に適時二塁打。長打のほかにも適時打1本を含む単打3本。三塁打が出ればサイクル安打になるほど自在にバットを操った。

鈴木崇監督(41)は「たくましい、頼もしいチームになるために中心になってほしい」と期待をかける。26日に鈴木監督から主将就任を打診され、竹野は「やりたいです」と即答した。その後、チームメートの前で「自分たちの手で甲子園で優勝しよう」と決意表明。新チームの最初の目標として「来春センバツに出て優勝する」と堂々と言った。

今夏甲子園では初戦2回戦で敦賀気比(福井)に6-8で敗れた。竹野は8番打者で4打数2安打1打点。捕手としても二盗を刺す強肩を見せた。「力は試せたが、投手が打たれた敗因は自分」と自己採点は厳しい。エース田中晴也投手(2年)の力を引き出すリードができなかったことを悔やむ。「勝てる捕手になる」。個人的なテーマも明確だ。

日常生活から部員の手本になることを心掛ける。「正しいことを率先してやる」と自らを律する。「来年、絶対に甲子園に戻って来い。お前が中心になる覚悟を持て」。前主将の渡辺暁仁(3年)から激励を受けた。「秋の大会、自分たちは挑戦者」。甲子園の経験に過信はしない。気を引き締めるようにゼロからのスタートを強調した。【斎藤慎一郎】

◆竹野聖智(たけの・せいち)2004年(平16)7月3日生まれ、燕市出身。吉田小2年から野球を始め、吉田中で捕手に。中3の時に県選抜入りし、全国中学生都道府県対抗野球大会で3位。日本文理では昨秋からベンチ入りする。175センチ、72キロ。右投げ右打ち。

◆秋季新潟県大会 68チームが参加し、9月9日に開幕する。決勝、第3代表決定戦は9月27日にハードオフ新潟で行われる。組み合わせ抽選は9月2日。来春のセンバツ出場が懸かる北信越大会は10月16日から長野県で開催される。決勝は同24日、松本市野球場で行われる。