聖隷クリストファーが、劇的な延長サヨナラ勝ちで東海大会(30日開幕、愛知県)出場を決めた。浜松西を退け、5年ぶり2度目の東海大会進出。県大会を1人で投げ続けるエース弓達(ゆだて)寛之投手(2年)が、延長12回裏に中越えサヨナラ打を放った。

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まさに独り舞台だった。聖隷クリストファーは1-1で迎えた延長12回、1死満塁のチャンスをつくった。打席には先制打も放った弓達。「みんながつないでくれた。自分で決めたかった」。相手投手のチェンジアップを捉えた打球はセンターの頭上を越え、サヨナラの決勝打。跳び上がって歓喜したヒーローは「野球の神様が味方してくれた」と満面の笑みを見せた。

投げては要所で締める投球を披露。8回に犠飛で1失点したが、終盤でギアを上げた。9回以降は「気持ちで投げた」。延長では自己最速タイの136キロをマーク。球威は最後まで落ちなかった。今大会は西部地区大会から全6試合を1人で投げ抜いている。この日も148球、3時間10分の激闘にも耐え抜き、投打でチームを勝利に導いた。

試合3日前には新型コロナウイルスのワクチンを接種し、2日間は思うような練習ができなかった。左腕に痛みもあったというが、「自分が投げて抑えたい」と気持ちが落ちることはなかった。東海大会出場は決めたが、目標は県制覇。弓達は「優勝しないと1回戦負けと同じ。勝って、いい形で東海に行きたい」と力強かった。【神谷亮磨】