東京学館新潟は上越に4-0で快勝した。背番号10を背負った中町龍之介投手(2年)が9回を被安打2の9奪三振で初完封した。6回1死までは「完全」ペースだった。準決勝は5日に行われる。

最後は併殺で中町は初完封勝利の幕を引いた。四球の走者を一塁に置いての9回1死一塁。「カウントを取りたい。内野ゴロでもいいな」と投じた直球は遊-二-一と渡った。2安打、9三振の快投。22日の2回戦・巻戦(12-0、8回コールド)で8回2安打、無失点投球して以来、背番号10をつけた右腕はこの秋、本塁を17イニング踏ませていない。

6回1死までは完全ペースだった。初の走者は二塁への内野安打で許した。パーフェクト投球が崩れて「あ~ッとなった」と話したが、中町のモットーは「平常心」。すぐに立ち直って、2者連続三振で切り抜けた。「(背番号)1番を(羽吹幸隼投手に)取られたので、それをバネにエースより、いい投球をしたい」。覚えたばかりのスプリットで空振りを奪うなど公式戦のマウンドは成長の場となった。

昨秋の大会直前に右肩を痛め、今春までベンチから外れていた。背番号20をつけた今夏の準々決勝・新潟明訓戦は4-5で逆転負けしたものの、先発した中町は6回1/3を投げて被安打2、1失点の粘投。自信をつけ、秋のマウンドに立っていた。180センチ、83キロの恵まれた体から投じる直球はこの日、最速140キロだった。

「調子はいいわけじゃない」と旅川佑介監督(39)が評した中で決めた2安打完封投球。中町が「内外野とも(守備が)うまくなってきた」と信頼する無失策のバックに援護されて好投を演じていた。【涌井幹雄】