<プロ野球ドラフト会議>◇11日

プロ野球ドラフト会議で、今年の春夏連続で甲子園に出場した北海・木村大成投手(3年)が、ソフトバンク3位指名を受けた。 北海からの支配下指名は、17年DeNA3位の阪口皓亮投手(22)以来4年ぶり。最速150キロ左腕は、新人王獲得と将来の侍ジャパン入りを目標に掲げた。北広島市出身のプロ野球選手として、日本ハムが同市で建設しているボールパークでの凱旋(がいせん)勝利を思い描いた。

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幼少期から備えていたプロ向きの性格が、木村の夢を実現させた。鋭い150キロの直球と切れのあるスライダーが武器だが、そこまで自分を磨き上げられたのは、ひとえにここまでの努力のたまものでしかない。

昨秋の全道制覇に始まりセンバツ出場、春夏連続の甲子園と継続して取材する中で感じたのは、強い向上心と、自分の現状と課題を冷静に言葉に出来る力だ。木村の4学年上の兄で関西創価高まで投手だった広輝さん(21)は言う。「小学校の頃から自分の体に異変があると、はっきり指導者に伝え休みをもらうようにしていた。子どもにはなかなかできない。小さいころから自分で考えて動き、意見も言える印象は強かった」と当時を振り返った。

北広島東部小高学年になると、兄が通っていた英語塾に通うようになった。野球の練習を終え、家で夕飯を食べ午後8時から約1時間半の授業を受ける。疲労を抱えながらの勉強は、ときに睡魔との戦いにもなる。広輝さんは「大成は気を抜くことが一切なかったと、塾の先生に聞いたことがある」。一般受験で札幌の進学校に合格できるレベルの学力を備えていたが、プロを目指し北海へ進学。意思を明確に口にできる芯の強さと、スバ抜けた集中力が、道を切り開いた。【アマ野球担当・永野高輔】