日大三が先発矢後和也投手(2年)の公式戦初完投初完封の好投で八王子打線を封じ、準々決勝進出を決めた。9回裏は2死から連打と四球で満塁と攻められつつ最後は浅い左飛に打ち取って完封を達成した。矢後は「最後、投げ急いだのは反省です。最後まで投げたのは初めてです。もっとスタミナをつけないと」と反省点を口にしつつも、マスクの奥ではにかんだような表情を見せた。

140キロ超のストレートとカーブ、スライダー、そしてこの日初めて使ったチェンジアップで9イニングのうち5イニングで3者凡退に仕留めた。

初回、2死一、二塁から片山悠真投手(2年)に右前打を許したが、日大三の藤巻一洸外野手(2年)の好返球で本塁で二塁走者を刺しピンチを切り抜けた。その後は制球が安定。2回から3イニング連続3者凡退でリズムに乗った。

攻撃面では初回、八王子の先発片山の暴投で先制。その後は抑えられたが、7回に押し出し四球で追加点を奪うと、さらに1死満塁から富塚隼介内野手(2年)の走者一掃となる中越え適時三塁打などでこの回5点を奪い、試合を決めた。

小倉全由監督(64)はまだまだ打線の現状には物足りなさを感じており「もっと打たないとだめですね。勝ちましたが、これで良しというのは(うちには)無しですから」と、苦笑いしながら振り返った。